#3 サクラが打つ台は設定6

今度の狙いはサクラが打つ台を一点読みし、先に奪う!だ。

やってやる。


次に設定6が入りやすい機種はもうわかってる。

僕は特定機種をローテーションで打っているサクラ一人に目を付けた。日を空けたりしながら打っているが同じ機種を連打することはほぼ無い。モンハン、凱旋と来たら次はもう決まってる。

番長3だ。

おあつらえ向きに唯一客が数十人並ぶ日と言ってもいい旧イベント日付の日。これなら僕がいきなり普段は打たない番長3に行っても多少はカムフラージュの理由付けをサクラの方で勝手にしてくれるだろう。

狙って台を取ったと判断される日を遅らせられるかもしれない。


どこに入りやすいかもわかってる。

今回は真ん中か右端。

2択だ。ほぼ同率だがより可能性が高い方は真ん中か。


開店数分前、店員による並びの整理が始まった。よし、目を付けたサクラは僕のだいぶ後ろにいる。入場が始まった。

心を落ち着かせろ。焦らず、少し他の番長3の台データカウンターも見つつ真ん中の台をキープするんだ。後ろに続いてくるサクラに狙ってると思わせるな。

台キープ成功。

ここまでは予定通り。

次は、サクラがどう行動しているかだ。チェック!

え?

鏡?

今日、そこ?そんな設定6わかりやすい台に?

あぁ、僕が取っちゃったからそこ行ったんか。じゃあしょうがないね。今日は普通の台読みでもそこには高設定入らないと思っているのだが。

僕が打つ番長3は、もしサクラ読みミスっても設定4−5を同じく2択レベルで期待できる台。

事前準備通りに台取りまでできて万全の体制だ。

アサイチ入場して台を取ったら後はもう結果を出すだけ。勝つための醍醐味はここまでに凝縮している。ここからは楽しむための醍醐味を味わっていけばいい。

一応設定判別として対決ベル回数をカウントしていく。

しょっぱな弱チェリー対決もスカ。

7
32
45

ベル規定回数3回目で32超えた。

そして
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設定変更天井128回を直撃した。

これが単発で終わったのは仕方がないとして設定6じゃないっぽい。

あのサクラは!?どうしてる!?

鏡で2回初当たりを200回転以内に引いて、その後500回転ハマっていた。

んん。

どういうことだ。

この状況ならまだ狙いの対抗、右端番長3打って確かめた方がいいか。

初っ端規定ベル回数「57」

そして再び設定変更ベル天井128。

どっちかが設定4以上期待できたとか、もはやどうでもいい。どっちも設定6ぽくないじゃないか。

サクラは!?サクラはどうしてる!?

鏡は、3回目の初当たりを700回転代で当てた後、再び500ハマりで空き台になっている。

やっぱり設定6じゃなかった。

くるりと向きを変え駐車場へ早歩きで行く。

車は!?

ある。

どこに、どこにいる…。

いた。あの台が設定6なのか?

僕はここでこの日のサクラ読み設定6狙いを諦め、凱旋の前日サクラが打ってた台の250ハマり、サクラが捨てた鏡のハマり台と消化していく。

その間サクラは小まめに台移動をしていた。そしていつの間にか店からいなくなっていた。


フェイクの日…。

あの白シャツ店員の遅番連続日じゃなかったか…。


僕の中で何かがガラガラと崩れる音がした。

この店にいたくなくなった僕は、昼食を取るのも忘れ、店移動をしながら片っ端から青田刈りをしていく。

番長3のハマり台単発、凱旋単発。ハーデス単発。

気づけばここまで1日で9万7000円負けていた。

10万負け行ったれや。普段はスルーするであろう客層レベル高め店バジリスク絆の4スルー30回転止めに着席し、即BCを引き5回目BC三日月通常画面。ここで止める選択肢もあったはずだが続行し6回目も三日月。

打ち始めから一番可能性が高いのはずっと一番天井が遠いテーブルNだ。

でも僕の手は止まらなかった。まるでもっと負けさせてくれよ、と言わんばかりに。

だが、不思議なことにBCを早めに引き続けて天井まで行き、テーブルN天井の恩恵初当たり2回に、バジリスクタイム1発ツモ2回を加えて1400枚ほど出てこの台はプラス1万2000円で終わって10万円負けを回避した。

無茶したこの台で勝ってしまった。

ははは。

脳内を乾いた笑いが巡る。


ようやく頭が冷えた。夜もう8時。これ以上ハマりやゾーン狙いで店移動をするのはあまりに厳しい戦いになる。帰る時間だ。



「全然アサイチから行っちゃってくださいよ」

サクラがいることを教えてくれ、更にこう言ってくれた彼にもこの番長3狙い大失敗、きっと笑って話せると思う。

実はここ1カ月ほど、しばらく会っていないんだ。他に良いパチ屋を見つけたのかもしれないし、スパッとパチスロ自体止めてしまったのかもしれない。

連絡先も知らない。



番長3狙い大失敗か。


違う。笑い話にはしても大失敗じゃない。


最悪どっちかが保険の設定4−5と思って打った番長3は間違いじゃなかった。設定6じゃないっぽいからどうでもいいなんて思ったのは間違いだ。こういうのをコツコツと続けることで、僕はこの世界で凌いできたんだ。

だが後半の青田刈り連発まではまだギリギリ許せるが、絆の4スルー全ツッパはいただけなかったな。


ここから数日経ったがまだ彼には会っていない。

次にサクラが打った設定6は、モンハンと番長3の真ん中、2台体制だった。




さて、明日も少し煙たくて少し胡散臭いあのパチンコ屋、行くとするか。


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明日になれば、見たことも経験したこともない新しい1日がまた始まる。

終。

#1 ミッション店員とグルのサクラ打ち子を特定し攻略せよ
#2 アイツはサクラあっちはプロだ
#3 サクラが打つ台は設定6



・あとがき

今回の話はここまでです。まだこの話は終わっていなくて現在進行形で進んでいます。もしも、続きを書ける日が来たらその時にまた書きたいと思いますが続きを書く日は来ないかもしれません。サクラ読みを失敗して大負けした日にこの記事を書いてみようかと決めました。もし負けてなかったらこっそりひっそりと続けていただろうと思います。

最近の稼動日記を書くのにサクラ表記無しでは無理が出てきたのも一つの要因ではあります。なんで夜から?とか、今後あったらそういうことなんだな、と思っていただけたら。

多分、みんなはサクラを出し抜いてスカっとやっつけてくれるとかそんな風に思ってくれていたのかもしれない。期待を裏切ることになるだろうことは最初から覚悟しています。僕は結果を知ってて書き始めていますから。

パチスロで勝つことも負けることも虚無だし無情です。

どちらも明確には否定も正当化もできるものではありません。

勝つことを偉そうに言うものでもないと考えています。ネタだとか立場だとかがあれば別だと思いますが、僕には虚勢を張る必要のある何の立場もありません。

僕の人生の中でたった一軒のパチンコ屋の中の出来事だけでも、たくさんの思いを巡らせることができました。それが人生全部となったら。そして人の数だけそれぞれに思いがあるはずです。

あ、今回のベル天井写メと番長1日目写メは過去写メの使いまわしです。念のため。

長編最後までお付き合いいただきありがとうございました。