出かけた先。レートでも見るか。いつも通りスマホアプリを立ち上げて自分の持つ仮想通貨の価格を見る。そこには出かける前からすると記憶にないレートが表示されていた。

半分以下になっている!?

なにかが起こっている。嫌な予感とかでなく現実の数字です。

あいにく、すぐに席を外せない用事でしかも3つ先の市まで車で移動しています。帰るのには1時間以上はかかります。

ネットの資産なんだから満喫にでも寄って対応、、、はできません。

なぜならハードウェアウォレット(財布機能を持つ機械に資産を動かすのに必要な鍵がネットから分離されています)に入っている資産を動かす必要があるからです。パスワードとハードウェアウォレットが一致しないと何もできません。

こんな時にネット上でない時のリスクを味わうとは。

しかもウォレット買ったのはわずか数日前。いきなりか。激動の展開すぎます。

気もそぞろでやるべきことを終わらせて、レートを見ると更に下がっています。僕は大きく息を吸いました。早くなる鼓動を感じながら冷静に整理します。

この通貨のロック時間は12時間。もしも運営の資産抜きの動きを誰かが察知しての警戒から価格が下がっているとしたら猶予はまだあるはずだ。朝見た時は普通だった。ダイジョブだと思ったから出かけたんだ。その行動は間違っていない。

この後やりたかった事一つは残念だけどスルーして急いで帰宅だ。

ただし、必要以上の安全運転で。

それだけ意識して走らせよう。

冷静を装ったつもりでも、やはり動揺はしていたようです。道を間違えました。今僕はナビのない車に乗っているので(珍しいでしょ?)スマホのボイスナビで進んでいたのですが、道が細かったので違う方へ行ったら川のせいで変な方向へ連れていかれてしまいました。

何でこんな時にミスる?

道中、家に着いたらどう動くかを脳内でシミュレートしていました。

パソコンつけて、ハードウェアウオレットつなげて、メタマスク接続、対象サイトに行って、一番資産の多い所から順番に3か所資産を抜いていく。ガス代はけちらずスピードが早くなるように設定するんだ。

遠かったおかげで何度も何度も繰り返し脳内で行動を想定できました。

まだお金が無事なら自分の中では最速で逃げることが出来る自信ができて実際その通りにできました。

無事資産の大部分は返ってきました。被害はBET額の一桁%程度でした。

コーヒーを淹れて一息ついて、データを収集します。すると、大規模なハッキングが行われた様子でした。

現時点進行中で各国でニュースにもなっています。そんな事件の真っただ中に僕は今います。
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つい10日前に倍になって喜んでいた暗号資産でした。見る人が見たらわかるイールドファーミング中というアイコンもあります(知らない人にはわかりません)

この時のテストで少ないFARMを送っているので実際触っていた通貨だというのはわかると思います。

攻撃されてしまったサイト、コードが安全かどうかを監査する会社に2社からお墨付きを貰っていました。3社目の監査も進行中でした。そんな状況でも大きな被害が出ることがあるのです。あまたあるDeFiサイトの中でも優秀な方ですから資産が集まって行っていました。だからこそ狙われた、とも言えます。

新しい技術には発見されていない危険がたくさんあります。今回はその一つだったということです。

良く調べると、ハッキングという風に報道されたりもしていますが、やられたことはそうではありませんでした。

正攻法でのアービトラージだったのです。

ただ、倫理的に許されるかというとそうでもありません。

でも仮想通貨の世界でトレーディング技術で抜かれた資金を返せとか、犯罪だ、とかいうのは何か違う気がしています。

こういったリスクも含めてのDeFiだと僕は思うのです。

日本語でも軽い説明のサイトがありました。25億円の不正流出と書かれています。

誰も気が付かなかった方法、実力でお金をアービトラージャーは奪っていきました。僕はこの件で資産減っていますし悲しいけれど一方的には非難できないのです。

普通にトレード手数料落としていって、被害にあった運営母体以外は恩恵すら受けています。

不思議な気持ちに包まれています。

いざ、僕がその行為ができるとしてもやらないと思います。数日たった今もそのサイトを利用しながら考えていますが、自分の中での明確な答えはいまだ出ていません。