FXで大負けした時の話の第2回。今回だけでも話は完結するので暇で今日の記事読んで、こうなる前の展開に興味がわいた人はどうぞ。
-----今回への話への布石、前回記事から
月30万とかFXの自動売買で儲かればうれしいな。複利運用表などを見ながら夢膨らませて準備を整える。自動売買で24時間起動しておくトレード専用のノートPCを買い、専用の小さい台も買った。それに加えてデスクトップPCも新調して2画面に、脇に別のノートPCと電卓。自分でトレードする訳ではないのにいっぱしの投資家気取りだ。そしてついに自動売買が始まった。
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いざ自動売買が始まるとやることが全く無いことに気が付く。そりゃそうだ、自動売買なのだから。薄暗い照明の空間にぽっかりと映るディスプレイ上に表示されているお金と呼ばれる数字が増えたり減ったりする様子を、なにをするでもなくただ眺めているだけだ。暇というのはやるべきことがあって初めて価値が出るもの。この価値を見出せない暇な時間を利用してやれることは無いものだろうか・・・
あるじゃないか!目の前に!
自動売買に使うノートPCを除いてデスクトップ2画面とノートPC。これは裁量トレードするのにふさわしい環境ではないか。これを放っておいたらまさに宝の持ち腐れ。世間では主婦でもFXで大勝ちしている人が何人もいる。まがりなりにもパチスロでお金と呼ばれる数字を増やしてきた能力には自信がある。僕は特別だ。FXでも勝ち組に入れるに決まっている。
「FX自動売買で勝つ」から「FXで勝つ」
本来の目的から外れ、目の前に広がる新しい世界、お金と欲望の渦に巻き込まれ流された瞬間だった。
かと言ってFX素人、テクニカルも経済もほぼ何もわかっていない状況で勝ちを見い出すのは簡単なことではなかった。だが、それが自分のヤルキを増幅させた。パチスロで培ってきた研究心でFXを攻略してやるんだ。何か無いか、何か。
FXは通貨の売買で、例えば日本の円で他の通貨を買ったり売ったりすることができる。円を売ってドルを買うと、そこに金利差が発生する。これを「スワップポイント」と呼ぶ。国によって金利差があるのでその差額分を払ったり貰ったりが通貨の売買での均衡を保つために発生する。日本は「ゼロ金利政策」の真っ最中。日本の円を売って他の国の通貨を買うと、日本にいながら外国の金利を得ることが出来るのとほぼ同意。ちなみにこのスワップポイントはたいていの場合日払いである。
スワップポイントを考慮してトレードを行った場合の過去の履歴をさかのぼってみると、円売り外国通貨買いでかなりの優位性が見られることを発見した。そして更に調べていくと「スワップ長者」なる人がいることを知った。トレード方法はただ単純に「高金利の国の通貨を買って、日本の円を売って放置」ただそれだけだ。ならなるべく高金利の通貨を買って円を売ればいいじゃないか。
勝つ方法はシンプルだ
パチスロは勝てる台を常に打っていればトータルで負けることはほぼ無いに等しい。FXだってスワップがプラスなんだからその時点でプラスではないか。過去の相場を見てレバレッジを決めて過去最安値になっても破産しない程度にポジションを作って放置。ただそれだけで毎日毎日スワップが口座に加算されていく。
自動売買もスワップも同じ放置だと思われるかもしれないが、そこに自分の意思が反映されているかいないかでその心境は全く違うものだった。同じ数字を見ているだけでもそこに自分の意思を感じた。自動売買も軌道に乗り始め、スワップでも地道に勝ちが積み重なってお金と呼ばれる数字はどんどん増えていく。絶頂だった。
栄枯盛衰
栄えたり衰えたりを繰り返す人の世のはかなさをいう。
繁栄があれば没落もあるのが世の常。自分の資産最高値をどんどん更新していた絶頂から一気に転げ落ちていく。リーマンショックで自動売買が破綻し大きな損切り。そしてスワップ神話の崩壊での大きな損切り。実はこのFXでの2回の大負けはほぼ同時の出来事だった。結果、僕の資産は半減した。
当時僕が見ていたチャートの動き
その後のチャートの動き(当時から見ると未来の動き
2つをあわせた動き。通貨はユーロ円、足は週足、その後持ち直していく
サブプライムからリーマンショックの一連の流れは100年に一度の大きな出来事と言われた。それは明日起きるかもしれないし、100年後かもしれない。1000年後かもしれない。だがそのリスクを考慮できないのなら為替の世界で勝っていくなんて口が裂けても言えないことだと気づいた瞬間だった。
自動売買の損切りで自分のリスク管理の甘さを知り、スワップ神話崩壊で追い討ち、自分の為替相場での行動すべてが否定された。
しばらくはどうでもいいやという気持ちでいっぱいだったが、僕はまだ破産していないし生きている。ここから逃げることはできる。だけど僕はここでリスク管理の重要さを学んだんだ。ここで試してみたいと思った。自分が特別だなんてとんでもない。僕は凡人だ。だから学ばないといけないし、細心の注意を払わないといけない。多分それでも足りないだろう。僕は一生かけて相場で自分を試したい。その価値がある世界だと自分で感じたんだ。
2007年…サブプライム・ショック
2008年…リーマン・ショック
2010年…ギリシャ・ショック
2011年…ユーロ・ショック
2013年…イタリア・ショック
その後、なんちゃらショックをいくつも経験し、震災や戦争リスク、スイスや日銀の政府による為替介入も経験した。自動売買とスワップ裁量で大きく負けた後のなんちゃらショック等は幸運なことにすべて大きな損失にならずに無難に乗りこえたり利益に変えてくることができた。当時の資金からのレベルでの負けと同じレベルの負け、50%のドローダウン(資産減少割合、金額ではない)は一度もくらっていない。精神的にキツイと感じること無く、トータルでは運よく良い結果となっていて今のところの検証は成功だと言って良いだろう。
パチスロは勝てることを繰り返せば勝てる。それは相場も同じだがその勝てることがコロコロと変わるのだ。次の瞬間に全く逆の方法が勝てる方法になっているなんてのは日常茶飯事だ。
今だから笑えるけど当時は闇の中手探りで何も見えなかった。自分の考え方は合っているのか、FXで通用するのか?いや、実際は今も手探りだし何も見えていない。だけど四つんばいで地べたにはいつくばっているから崖から転がり落ちることは無いと自信を持って言える。この2つの大負けがあったから今の僕がいる。負けを損と思うかどうかはその後の行動次第だ。
目の前が見えないのにそこは平野だと信じてただ走っていくことの危険性を知った。目の前が見えないのならゆっくりでいいから一歩一歩踏みしめ進んでいけばいいと知った。気づけば振り返ったところに負けがあった。ただひたすら今を真剣に自分の全力で対応していけばいい。これからもそうあれたらいいなと思う。
まずは慢心しないように自分への戒め。そして反面教師として利用していただければこれ幸い。
あ、ちなみに為替トレードという世界はこういう世界だよ。
外為取引で複数トレーダー結託の証拠見つかる、指標レート不正操作疑惑で
12/20の記事。レート操縦、自分が利益を出すために、それが普通に行われている世界。これをどう受け止めるかが大事かなと思う。
為替関連質問返事、為替の勉強方法
-----今回への話への布石、前回記事から
月30万とかFXの自動売買で儲かればうれしいな。複利運用表などを見ながら夢膨らませて準備を整える。自動売買で24時間起動しておくトレード専用のノートPCを買い、専用の小さい台も買った。それに加えてデスクトップPCも新調して2画面に、脇に別のノートPCと電卓。自分でトレードする訳ではないのにいっぱしの投資家気取りだ。そしてついに自動売買が始まった。
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いざ自動売買が始まるとやることが全く無いことに気が付く。そりゃそうだ、自動売買なのだから。薄暗い照明の空間にぽっかりと映るディスプレイ上に表示されているお金と呼ばれる数字が増えたり減ったりする様子を、なにをするでもなくただ眺めているだけだ。暇というのはやるべきことがあって初めて価値が出るもの。この価値を見出せない暇な時間を利用してやれることは無いものだろうか・・・
あるじゃないか!目の前に!
自動売買に使うノートPCを除いてデスクトップ2画面とノートPC。これは裁量トレードするのにふさわしい環境ではないか。これを放っておいたらまさに宝の持ち腐れ。世間では主婦でもFXで大勝ちしている人が何人もいる。まがりなりにもパチスロでお金と呼ばれる数字を増やしてきた能力には自信がある。僕は特別だ。FXでも勝ち組に入れるに決まっている。
「FX自動売買で勝つ」から「FXで勝つ」
本来の目的から外れ、目の前に広がる新しい世界、お金と欲望の渦に巻き込まれ流された瞬間だった。
かと言ってFX素人、テクニカルも経済もほぼ何もわかっていない状況で勝ちを見い出すのは簡単なことではなかった。だが、それが自分のヤルキを増幅させた。パチスロで培ってきた研究心でFXを攻略してやるんだ。何か無いか、何か。
FXは通貨の売買で、例えば日本の円で他の通貨を買ったり売ったりすることができる。円を売ってドルを買うと、そこに金利差が発生する。これを「スワップポイント」と呼ぶ。国によって金利差があるのでその差額分を払ったり貰ったりが通貨の売買での均衡を保つために発生する。日本は「ゼロ金利政策」の真っ最中。日本の円を売って他の国の通貨を買うと、日本にいながら外国の金利を得ることが出来るのとほぼ同意。ちなみにこのスワップポイントはたいていの場合日払いである。
スワップポイントを考慮してトレードを行った場合の過去の履歴をさかのぼってみると、円売り外国通貨買いでかなりの優位性が見られることを発見した。そして更に調べていくと「スワップ長者」なる人がいることを知った。トレード方法はただ単純に「高金利の国の通貨を買って、日本の円を売って放置」ただそれだけだ。ならなるべく高金利の通貨を買って円を売ればいいじゃないか。
勝つ方法はシンプルだ
パチスロは勝てる台を常に打っていればトータルで負けることはほぼ無いに等しい。FXだってスワップがプラスなんだからその時点でプラスではないか。過去の相場を見てレバレッジを決めて過去最安値になっても破産しない程度にポジションを作って放置。ただそれだけで毎日毎日スワップが口座に加算されていく。
自動売買もスワップも同じ放置だと思われるかもしれないが、そこに自分の意思が反映されているかいないかでその心境は全く違うものだった。同じ数字を見ているだけでもそこに自分の意思を感じた。自動売買も軌道に乗り始め、スワップでも地道に勝ちが積み重なってお金と呼ばれる数字はどんどん増えていく。絶頂だった。
栄枯盛衰
栄えたり衰えたりを繰り返す人の世のはかなさをいう。
繁栄があれば没落もあるのが世の常。自分の資産最高値をどんどん更新していた絶頂から一気に転げ落ちていく。リーマンショックで自動売買が破綻し大きな損切り。そしてスワップ神話の崩壊での大きな損切り。実はこのFXでの2回の大負けはほぼ同時の出来事だった。結果、僕の資産は半減した。
当時僕が見ていたチャートの動き
その後のチャートの動き(当時から見ると未来の動き
2つをあわせた動き。通貨はユーロ円、足は週足、その後持ち直していく
サブプライムからリーマンショックの一連の流れは100年に一度の大きな出来事と言われた。それは明日起きるかもしれないし、100年後かもしれない。1000年後かもしれない。だがそのリスクを考慮できないのなら為替の世界で勝っていくなんて口が裂けても言えないことだと気づいた瞬間だった。
自動売買の損切りで自分のリスク管理の甘さを知り、スワップ神話崩壊で追い討ち、自分の為替相場での行動すべてが否定された。
しばらくはどうでもいいやという気持ちでいっぱいだったが、僕はまだ破産していないし生きている。ここから逃げることはできる。だけど僕はここでリスク管理の重要さを学んだんだ。ここで試してみたいと思った。自分が特別だなんてとんでもない。僕は凡人だ。だから学ばないといけないし、細心の注意を払わないといけない。多分それでも足りないだろう。僕は一生かけて相場で自分を試したい。その価値がある世界だと自分で感じたんだ。
2007年…サブプライム・ショック
2008年…リーマン・ショック
2010年…ギリシャ・ショック
2011年…ユーロ・ショック
2013年…イタリア・ショック
その後、なんちゃらショックをいくつも経験し、震災や戦争リスク、スイスや日銀の政府による為替介入も経験した。自動売買とスワップ裁量で大きく負けた後のなんちゃらショック等は幸運なことにすべて大きな損失にならずに無難に乗りこえたり利益に変えてくることができた。当時の資金からのレベルでの負けと同じレベルの負け、50%のドローダウン(資産減少割合、金額ではない)は一度もくらっていない。精神的にキツイと感じること無く、トータルでは運よく良い結果となっていて今のところの検証は成功だと言って良いだろう。
パチスロは勝てることを繰り返せば勝てる。それは相場も同じだがその勝てることがコロコロと変わるのだ。次の瞬間に全く逆の方法が勝てる方法になっているなんてのは日常茶飯事だ。
今だから笑えるけど当時は闇の中手探りで何も見えなかった。自分の考え方は合っているのか、FXで通用するのか?いや、実際は今も手探りだし何も見えていない。だけど四つんばいで地べたにはいつくばっているから崖から転がり落ちることは無いと自信を持って言える。この2つの大負けがあったから今の僕がいる。負けを損と思うかどうかはその後の行動次第だ。
目の前が見えないのにそこは平野だと信じてただ走っていくことの危険性を知った。目の前が見えないのならゆっくりでいいから一歩一歩踏みしめ進んでいけばいいと知った。気づけば振り返ったところに負けがあった。ただひたすら今を真剣に自分の全力で対応していけばいい。これからもそうあれたらいいなと思う。
まずは慢心しないように自分への戒め。そして反面教師として利用していただければこれ幸い。
あ、ちなみに為替トレードという世界はこういう世界だよ。
外為取引で複数トレーダー結託の証拠見つかる、指標レート不正操作疑惑で
12/20の記事。レート操縦、自分が利益を出すために、それが普通に行われている世界。これをどう受け止めるかが大事かなと思う。
為替関連質問返事、為替の勉強方法